空の上の修行 [飛行機]

羽田から沖縄に行くと那覇空港の到着口で次のような乗り継ぎ案内を見ることがある。
 
 石垣島:○○ゲート
 久米島:○○ゲート
 羽田:○○ゲート

多くの人が羽田から来たのになぜ羽田に乗り継ぐのか?と不思議に思うだろう。これは「修行僧」と呼ばれる人々がこのようなルートで乗っているのだ。

飛行機に搭乗するとマイレージとは別にポイントが付与される。JALではFOP(FryOnPoint)と呼び、ANAではプレミアムポイントと呼ぶ。これはマイレージとは異なり飛行機を搭乗しないと得られないものである。このポイントを一定額貯めると航空会社の上客としてのステータスが得られる。このステータスを得ると優先予約、高級ラウンジの利用、座席のアップグレードなど飛行機と空港利用に関する様々な優待を得られる。本来は出張の多いビジネスマン、海外旅行の多い富裕層向けのサービスであり、国内線であれば、年間で50搭乗程度、国際線であれば、ビジネスクラスでNY3往復もすればそこそこのステータスが得られるものだ。修行僧とは仕事、生活上、頻繁には飛行機に搭乗しないが、不足する分をひたすら飛行機を乗ることによって、先のステータスを得ようとする人々である。
#詳しくはJALであれば http://www.jal.co.jp/jmb/index04.html を、ANAであれば、 http://www.ana.co.jp/amc/reference/elite/index.htmlを参照していただきたい。

実は私も昨年は長距離海外旅行や海外出張が数多くあったため、後少し「修行」をすれば、ステータスを得られることがわかった。それで沖縄日帰り、福岡日帰りなどバカバカしい修行を行ったわけであるが、そこで得た教訓を列挙してみたい。

<折り返し便>
国内線では羽田-那覇などの長距離便では現地で1時間ほど滞在した後に折り返す場合が多い。この場合、飛行機だけではなく、乗務員(パイロット、CA)も同一である場合がある。CAももちろん修行僧の存在は認識しているので、

急なお仕事で羽田にお戻りですか。
お帰りもご一緒させていただきます。
行きと同じ茶菓で申し訳ありません。
○○さま、お帰りなさいませ。

などの煽りのお言葉をいただく。これはかなり恥ずかしい。(CAは乗客への気配りに尽力されているので、顔も覚えやすいそうだ) そこで折り返し便をさけるのはもちろんであるが、やむを得ず、折り返し便を選択する場合でも各CAの担当範囲は往復でほぼ同じなので、座席を左右前後に変えるべきである。
短距離線では三角ルート(伊丹-福岡-鹿児島-伊丹など)で同一乗務員の場合もあるので、要注意である。

<乗り継ぎ時間>
乗り継ぎ時間は通常30分あれば、予約可能であるが、これはほとんど余裕が無いと考えたほうが良い。最近ではほぼ定時運行がなされているが、やはり天候で大きくダイヤが左右されるため、乗り継ぎ時間は1時間~1時間半は見ておきたい。ギリギリでの乗り継ぎはGH(グラウンドホステス:地上係員)に「連行」、「引き回し」と呼ばれるエスコートを受けて空港内をショートカットするため、恥ずかしいことこの上ない。

<島流しリスク>
月曜日にから仕事が始まる会社員の場合、日曜日の長距離の修行は避けたほうが良い。沖縄、北海道で天候不順のため、欠航になった場合、自宅まで帰る手段を失う場合がある。可能な限り土曜日に行い、台風シーズンの沖縄、冬の北海道は避けるのが無難である。

<キャンペーンを生かす>
ポイントの加算期間は毎年の1月~12月であるが、序盤にポイントばらまきのキャンペーンを行う場合が多い。この時期は料金の安いオフシーズンであるため、この期間をうまく生かしたい。

<ウエイトオーバリスク>
修行をすると行き先の名産を食べて、銘酒を飲む。更にヒマつぶしにビールを飲む。高級シートでは食事、菓子も用意されるので、修行中は確実に太る。名産の味わいは控えめに。

<おまけ:ベテランCA>
ベテランCAの方は左前が多く、右側、後部は新米CAが多いといわれている。ご参考まで。(笑)

修行は搭乗歴ゼロからはじめるとそこそこのステータスを得るまでに約50万円かかる。あくまでステータスで得られるメリットは飛行機を乗ってこそ得られるものである。年に数えるほどしか乗らないのであれば、修行する意味はまったく無いことを申し添えておきたい。




タグ:FOP JAL JGC ANA SFC 修行
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